東京電力福島第一原子力発電所の事故は、今も収束の目処がたたぬまま、被害の拡大が続いている。東北電力女川原子力発電所、日本原子力発電東海第二発電所、東京電力福島第二原子力発電所も、地震や津波の被害にあったと言えるが、原子炉建屋が吹き飛ぶような爆発は起こしていない。
福島第一だけが特別大きな被害にあったのか、それとも、特別に対策が手ぬるかったのかは、今後の検証が必要だけれど、住みかを追い出された人たちや、農漁業や周辺の産業に悪影響を与えているのは事実。原発がなければ、生じなかったであろう被害を、東電が補償していくことになる。
その被害額は、見積もれないほど大きいから、東電が債務超過になり、補償の支払に支障が出ないように、また、東証の上場廃止基準に抵触したり、過去に発行された社債の償還が困難になったりすることを避けようと、国が支援の枠組み作りを進めている。
福島原発禍から思い出すのは、水俣病だ。
国立水俣病総合研究センターのホームページによると、水俣病は、化学工場から海や河川に排出されたメチル水銀化合物を、魚介類がエラや消化管から吸収、 あるいは食物連鎖を通じて体内に高濃度に蓄積し、これを日常的にたくさん食べた住民の間に発生した中毒性の神経疾患だ。1956年5月に初めての患者が報告されているという。
補償金支払いのなどため、国や熊本県は原因企業チッソへ融資を続けた。
水俣病と認定されていない患者が、国などに賠償を求めた訴訟で和解が成立したのは、2011年3月のこと。
原発事故賠償でも、原因企業支援の枠組みが決まった。(asahi.com)
東京電力はチッソになった。
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