2014年9月4日木曜日

潰れるなら内部崩壊

最強の企業、トヨタ自動車。
国内の自動車市場の4割を握り、年間生産台数が1000万台に達した世界唯一の企業だ。
2000年代の前半から、今日に至るまで、歴代経営者は社内の慢心を戒め続けている。
渡辺捷昭社長講演録
豊田章男社長講演録

慢心に危機感を抱くのは、トヨタだけではない。
松下電器産業の中村邦夫社長も、赤字決算の理由として、「(自社は)つぶれないというおごり、自己満足が蔓延していた」と述べている。(記事
(企業名、肩書きはいずれも講演、記事掲載時当時のもの)

企業をwatchしていると、経営とは飛行機を飛ばすようなもののように見える。
離陸する速度に達することのできない企業は、離陸することなく退場していく。
一方で、上空の安全なところまで上がってしまうと、例えエンジンが停止しても、滑空することで飛び続けることができる。もちろん、何らかの手だてを講じなければ、安全に滑走路に降りることも、飛び続けることもできない。
上空を安全に飛んでいる時、墜落しかねない事態があるとすれば、それは機内で何かがあったとき、つまり乗員の不手際しか、あり得ないのだ。
彼ら経営者は、経営者教育の結果、あるいは肌感覚で、その事を理解しているのだろう。

墜落しかねない不手際を起こした乗員はもちろん、機長の責任も問われなければならない。例え直接、手を下していたのではないとしても、である。
その飛行機の進むべき道、こなさなければならない業務を具体的、かつ、明確に指示し、安全な運行を図るのが、機長の務めだ。
危機は機長としての職務怠慢の結果であって、責任が問われなければ、倫理の欠如した集団になるほかなく、体制を建て直すことも不可能になる。

企業の寿命は30年と言われる。
それを超えて生き続けるには、事業領域の見直しだけでなく、企業としての新陳代謝が誠実に進んでいく必要がある。