物理系の話が続きます。
「ヒッグス粒子の兆候か」というニュースが駆け巡りました。(朝日新聞デジタル)
ヒッグスとは、質量を与える素粒子とは、一般に説明されている通り。
でも、それが見つかると、何がスゴイのでしょう。
物理学は、世の中には四つの力があると教えます。
そのうち、三つについては、力を伝える粒子が発見されていますが、重力に関連する粒子だけは、まだ、見つかっていないのです。
ドラゴンボールのように、全部そろえたいですよね。(少し古い?)
ということで、最後の一つとして、ヒッグスに注目が集まります。
でも、私が気になったのは、その発表方法。
スイス・ジュネーブの研究所CERNでのセミナーをネット中継するという手法でした。
歴史的大発見なら、学者は論文で、その内容を明かすでしょう。
論文は、掲載されるまでに、編集に携わる人が、内容を事細かに筆者に問いただし、内容の質を担保するからです。発表する価値があると認められないと、論文は掲載されません。
掲載する側も、事後に誤りがあったことが分かると、信用問題になるので大変です。
しかし、今回のようなセミナー形式だと、やりたい放題です。
真偽はもちろん、内容をどれくらい精査したのか、といった点について、第三者が質を担保することはできません。
今回の発表は「ヒッグスを確認」と言えるレベルには達していませんでした。
過去の例から推測すると、そのレベルに達したら、きっと、論文で一気に公表するのでしょう。
2009年にも、同様の事例がありました。
こちらは、米国で開かれたセミナーです。
ダークマター(暗黒物質)と言われるものが、見つかったのではないか、という発表です。
ややこしさを増すので、ダークマターが何であるかについては、説明を省略しますが、はやり新しい素粒子だと考えられています。
それが見つかったら大ニュースなのだけれど、やっぱりセミナーのネット中継でした。
やはり、「発見」とか「確認」というには及ばないレベルでした。
面白い話だけれど、私にとっては後味がスッキリしないニュースでした。
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